【アルノー】
「…………………………」

ゴンドラの揺れが収まった後も
アルノーは私から離れない。

【エマ】
「アルノー?」

【アルノー】
「こうしてると、デートしてるみたいだな」

【エマ】
「そんなこと……」

【アルノー】
「お前が観覧車を経験してなかったおかげで、
初めて乗った恋人たちの気持ちが分かるよ」

【アルノー】
「この距離で相手を感じられるなんて堪らないな。
それに誰も見てない密室だ、キスしたくなる」

【エマ】
「そう、なのかな……」

【アルノー】
「ああ、そうだよ。俺にはよく分かる」